合作「星たちの邂逅」/瑠王
メシア
河岸ですれ違う瞬間
交差した瞳に
一千一秒を数えて閉じ込める
貴方の溢れる水面に
私の灼けた鱗が触れて
瞬きのように揺れた葉の間から
落ちて宿る星影
枯れ枝のような足で登った
丘の上で二人きり
朱と蒼の星を指先で繋ぐ
砂上の天蓋に記す約束
このすくむ足を導いて
十月十日の後の迷い子を導いて
同じ一つ穴から生まれて
消えてゆく
光と闇を包んで
小さな宇宙に降り注ぐ88の約束を
百億の星たちが見護る
貴方の名前が朱星とともに昇る夜まで
「Καληνυχτα」
想いは閉じられ眠るテクスト
いつの日か
遠い春に目覚める
貴方に読み解いて欲しい
高梁サトル
* * *
七色の星雲が共鳴をはじめ
無風の中で消えてゆく感情
黒になる前のわずかな藍色の世界で
平たく重なる岩に色を見つけた
自分の音階に耳を傾け
鳴り止まぬ通奏低音に腰掛ければ
そこにいない他者の悲しみを読む事ができる
<大きく裂ける七色の岩たち>
ここが海だったのか
温度の揺らぐ海だったのか
Xiao
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