そうは/森の猫
 

二度と感じたくない痛み

作業がおわり
診察台で
まだ 点滴に身を
まかせていると

夫がかたわらにいた

家族みんなで
待ちに待った
第3子の
誕生のはずだった



そうはされた
子は

もう透明であると言う
膜もあたしには
みえず

トレーのなかは
羊水ばかり

吸収されたのだ
母体のなかへ

33の厄を
吸い取ってくれたかような
子にいとしさを
おぼえた

また
おいで
こんどは
ママ 
元気なカラダで
待っているから

春のはじめだった
戻る   Point(4)