o/コーリャ
 
自動販売機のコイン投入口に
すいこまれていく女の人をみた金曜日の夜
ポッケの底のおつりの枚数をかぞえていた
裏面をやさしくなぜながら
口当たりの良い絶望味のコーラをぐびぐびのんだ

昔乗用車といわれていた残骸に
昔生きているといわれていた骸骨がのっている
果物と野菜の芳香を煮詰めに煮詰めた
グルグルグルグル/夜みたいなくさった色だった
ぼくたちはそんな色だった

京都タワーのてっぺんにのぼろうぜ
月がいちばん近くなる時間に!
そしてキリストみたいに両手をのばしたら
ぼくたちは小さい時絵本で見た
怪鳥になれるんだぜ

いつからかあなたを追跡する自転車たちがいる

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