砂のように消えてゆく。/天使
 
ゆっくりと沈む太陽の中、
夕日に赤く染められた顔から、
君の笑顔は消えていった。

ゆっくりと昇る朝日の中、
僕はただ見てた。
君の姿が消えてゆくのを。

何もできない自分が情けなくて、
もう少し、もう少しだけ、君に何かしてあげたかった。
何もできなくて、ただ君を見てることしかできなくて・・・。

白く輝く朝日の中、君は泣きそうな顔をして、
僕のそばから消えてゆくの。

海岸の砂が風に吹かれてとばされてゆく。
君も、あの砂のように消えてゆく。

小さく見えた君の後ろ姿は・・
悲しく。さびしく。怖さでいっぱいだった。

そんな君を僕はただ見るしかできない。
そんな君を、見るのはいやだけど・・・
僕にはそれしかできないの。

小さく震える自分の手。
グット力を入れて、情けない自分に力を入れて、
ただ、涙をこらえ
ただ、「ごめん。」としかいえなくて・・・

君が本当に欲しかった言葉・・わかってたよ。
けど、僕にはいえない。
「大丈夫だよ。」なんて・・・。
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