メルヘン/ドッグ/アラガイs
海岸通りを飛ばせば
忘れられた緑のなかに館があったよ
どこにでもあるようなメルヘン
車で通るたびに見ていた
どこかで見たような顔はもう思いだせないよ
幸せか不幸せかなんて
その顔をみればわかるもの
*
詩人がお店を出したよ 。
忘れられた街の片隅
詩人が出す店は小さな黄色いホットドッグ屋さん
緑色の看板には「プレッツェルロジック」
味に自信はあってもお客はさっぱり
目立ち屋がりなチューリップもうわの空
開店早々地面を眺めてしょげてたら
子犬を連れた小さな女の子が
百円玉ふたつ手にして買いに
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)