バ モ ク タ ト コ/
くゆら
あの人に近づきたくて
自分の描いた絵を渡した
少し体を後ろに引いて
ビックリした様子で
目はきょとんとしていた
「絵描いてるんで貰ってください!」
わたしは自分の要件だけ告げて
走った
でもちゃんと「ありがとう」をもらいました
ただ嬉しくて
マイクでゴンッと頭を叩いて
歌い出す
長い髪が揺れる
裸にタキシード
胸にあるバッテンの傷も素敵
わたしを指したか解らんが
人差し指がまっすぐこっちを指して
何かを叫んだ
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