仙石原にて/西日 茜
 
づいて来るころには
互いの手を取って
とても軽い気持ちになって

生きているのか死んでいるのか
夢のような曖昧な世界に居りました
現実は遠ざかり
君の美しい小麦色に光る肌が
よけいに夕日を招いてしまうのでした
たくさんの熱を帯び
もつれたわたしのつま先を
金色の波がすくってしまうから

怖くなって走り出し
君が見えなくなるように
泣きながら走り出しました
君はびっくりして
追いかけて
わたしをつかまえて
わたしをすぐにつかまえてしまうのでした
さっきより強く
とても強く抱き合って
金色の波の中で
二人は泣きながら愛し合いました

こんなふしだらなわたしたちを
神様は罰しておしまいになるでしょうね




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