詩人たちの仕事/アラガイs
僕は詩人の仕事も知っている
砂のない机の引き出しに骨と海を隠し
手の届かない星空を見つめては
窓の陰から誰かを思い浮かべる術に自ら涙する
それが乾かないうちに
狭いトイレのなかで便秘を堪えながら隠喩を一時間も繰り返す
そして尻を拭く紙には偽りがないと確信することを
そして僕は詩人の仕事を知っている
暁にはだれよりも先に死んで夜の闇となり
陽に閉ざされた碧瑪瑙の深い眠りが
さ・よ・う・な・らと孤独を聞き流す
やがて再び月灯りに照らされながら
その永遠に輝く贖罪を記した透明な死体を
ただ記憶と書かれた墓碑の下にひとり/埋葬しに出かけてゆくことを
睡花びらのように
僕は知っている
*
戻る 編 削 Point(8)