羊飼いになれなかった少年/
相馬四弦
そして大人達は罵り始めた
そして少年は首を落とされた
誰もが少年を馬鹿にする
いいのさ 年頃の男はみんな
犠牲の上にのどかな牧場が広がっているなんて
理想の下でどれだけの羊が怯えているのかなんて
まさか
自らの骸の中で死んでいくものなんてありはしない
そんな現実に毛ほどの価値もないから
ただ僕の首を叩くときは横顔にしておくれよ
そうして気長に
彼女と向き合える日を待っていたいんだ
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