洗骨/楽恵
 
てきた
舌は嘘をついても
米粒だけは正直だね

大勢の親族や隣近所の人に門まで見送ってもらったよぉ
そのうちの半分はすでにこの世にいない人たちさぁ
生きていた頃たくましかったおまえも
今ではすっかりカラカラと乾いた骨になっているはずねぇ

体にくっついた水分は、海と同じ味がした
灼熱を浴びて蒸発していった者たちが
雨となって再び戻って来る

野球場のフェンスに遮られた野原を過ぎ
さらに向こう側に切り立った崖があり
窪んだ洞窟の蔭に
おまえの骨は散らばっていた
獣の匂いはなかった
太陽の眩さは島の王様そのもの

米粒の占いの通りだったねぇ
本当はもっと早く
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