スクラップブック/
結城 希
た紙片に雨が降り
秘密基地は 次々と積み重なるゴミに埋もれた
排気ガスの充満した都市には
少年時代の自分は もういなかった
代わりに落とされたノートには
形にならない夢が なぐり書きされていた
僕はノートを抱えて
もう一度
あの日の裏通りを駆けて行く
なくしたものを探すため
ゴミだらけのあの場所に帰ろう
ずっと昔 そう約束したから
山道を抜けて
ガラクタに腰掛けて
君の手を取って 笑って
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