酔っ払い/森の猫
めずらしく
たったビール2本で
酔いが足をからませる
まっすぐ歩いているつもりが
どんどん道の
真ん中に寄っていく
ボワンとした視界に
でんとトラックが
踏み切り待ちしている
”轢いてくれ!”
まわらぬ口調で叫んだ
”ヨシナサイヨ!”
迎えに来た娘が
小声でつぶやく
アタマの上の外灯を
”コレは月カナ?”
えへへへ・・・・
笑いながら
都道に大の字で
横たわる
熱をふくんだ
アスファルト
ぐるぐるとカラダが
動いているみたいだ
手を引っぱられた
こんな田舎の夜中でも
車は何台か
行き過ぎた
”死にたいの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)