矛盾する二つのものの考察/チャオ
き、僕らの人生の活路は、不思議なことに、あたかも疑問がないように開かれる。
だが、疑問がないということは、すべてに対して、疑問があるということだ。身を切り裂くような、その両極端な感情を、飼いならすことは出来ない。それに妥協し、片方に歩みを寄せるのならば、そのとき、人の、時間は止まる。いのちは、いのちを生きることをやめてしまう。
時として、悲観にくれるだけのものがいるだろう。
時として、快楽に殉じるだけのものがいるだろう。
この世は無意味だ!と叫ぶものがいるとき、その叫びは、同時にこの世は有意味だと叫んでいる。この二つの言葉の示す、流域の一つだけが、感情とともに、この世に表象される。
そして、僕たちは言葉に悩まされる。なぜならば、その言葉を発したとき、その言葉の真の意味は、僕ら自身の、完全な意志によって、決められるのだ。
ならば、すべてのものを受け入れて、笑えるというならば、それこそが、最も難しいことなのではないのかと、昨日の夜からずっと考えている。
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