新大久保の女/はだいろ
新大久保の駅で、
暑さのあまり、ぬるくなったポカリスエットを片手に、
浴衣のデリ嬢を待つあいだ、
父親のことを考えた。
物忘れが激しいために、
再就職した自動車教習所を、
12月で退職するらしい。
あの人は、たぶん、ボケるタイプのひとだと思っていた。
だから、
じぶんで、5年たったら施設に入るよ、なんて、
笑われても、ああ、
ぼくじしんが年を取ったのだと、思い知るだけのこと。
だけど、
やってきた、歯を矯正中の、
HPでは、超S級美少女、実物は超C級風俗嬢の、
Cちゃんのおっぱいをつまみながら、
なぜ、
ぼくが、友達や、恋人をつくることが、
こんなに
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