サダンリ/瀬崎 虎彦
 
花の散るように、ではなく
花の落ちるように
(suddenly she left me alone)
姿が見えなくなったことさえ

あとづけで知る残響で聴く
僕が知らなかったこと
僕が耳を貸さなかったこと
天井までもうすこし

ある果てしなさの中で
心細かったのだと思う
思うことしか出来ない

小さな手で食器を並べて
僕の帰りを待っていた
思い出すことしか出来ない
戻る   Point(0)