誰も知らない/
寒雪
なにみんなを拒むのはなぜだ
朝焼けに照らされた
先々に転がる白骨が
仲間になれよと
手招きしている
誘惑に負けず
頂まで上ることが出来るのだろうか
そろそろ足も動かなくなってきた
このあたりで一度
腰を下ろしてみようか
二度と立てなくなるかもしれない
そんな恐怖を感じながらも
右に左に揺れる気持ち
振り返るとすぐそばに絶望と諦めが
いるような気がするから
ただひたすら
前を向いて進む
いつまで無事でいられるだろう
山は決して答えてはくれない
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