新月/
國朗
ある夜
金平糖を舐めながら
階段を上っていると
月がけらけら笑うので
気分を損ねた僕は
ふっ!っと金平糖を月にむかって
吐き出した
すると金平糖は鉄砲玉のように
月を貫いた
ぎゃ!っと声がしたかと思うと
笑い声は止み
月は何処かへ飛んでいってしまった
たいそう暗い夜だった
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