最強装備/雨音些末
激しい息遣いで
果てたそのあと
背中を向けて
一つの国の国民の数ほどの
命の迸りを受けた
ゴムの膜を
さっとはずして
こんなんで隔てずに
お前の中に入りたいよ
君はそう言ってペットボトルから
ウーロン茶を飲む
私は全身にうっすらと汗をかいたまま
かすかに息をはずませ
額や頬に幾筋もの黒髪で
試し書きのような線を描いたまま
君の仕草や姿を見ている
ねぇ
私の中にいるとき
どんな感じがするの
私は女だから
君の中に入ることができなくて
どんな感じなのか
わからないの
君が私に挿(はい)ってきたときや
唇をふさがれたまま
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