熱帯/捨て彦
 
……………。……………………」





少年はようやく重い足を動かし始め、男の座っている目の前の床に、灰皿を置く。





「おおけおおけ、ありがとさん。……………………。…………………フウー。………………。アー疲れた。…………しかしマァ、割りとええとこやないか、ココ。ちょっとマァ狭ッ苦しいけどな。風は結構ぬけるやないか。エェ。ええ風が通ッてきよるがな」
「………………………。……………誰のせいで、こんなとこに引ッ越すハメになった思てんのやッ」
「あ、そやそや!ユキちゃんどないしてんねん今」





その言葉を聞いた途端、少年はいッさんに男に掴みかかる
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