虹の扉/結城 希
 

読み忘れていたベストセラー
たまたま見つけたペットショップ
なんの気なしの映画鑑賞
嫌々出てみた野球大会

     たどたどしく 壁を掻き分け
     彼女は外気に辿りついた
     体液の滴る 翅を広げ
     世界に 産声を上げた

扉を開くたびに
また違う 私に出会う

神様はいない
私を連れ出してくれる
天使さえも

この扉を開くのは
私自身

     照り返された白光が
     七色に 輝いた

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