poetarot(女教皇のカード)保存版/みつべえ
 
。風の画布に、光で点描される。まいとし、夏の館への、坂道の途中で。きまって、あなたは。わたしの名を、呼ぶけれど。駆けつけても、そこに実体はなく。ただ色彩の、むすうのドットのなかに。迷い込むばかり。



朝の道は、とつぜん挫折する。たんに肉体を操作し、進むだけの、リハビリなのに。しばらく、このまま。うつ伏せに、倒れていよう。何の変哲もない、石となり。貧血な、自分史を。エンドレスに、反芻していよう。誰かが、わたしに、つまずいて。ひっころぶまで。



知りたかった。風を。城を。海流を。そして、ときには、節制を。しかし。夏祭りの夜に、世界の中心を貫いた、おとこの指が。秘密の構造を、
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