内省/蒲生万寿
 
何処までも遠く青い青い空 
樹々の緑は深く濃く憩いの影を落とす 
白き雲が流れ行く 
太陽の輝きは計り知れぬ 
私は滋味多き土の上に立ち 
涙を落とす 
涙はあまりにも温かい 
世界は何と楽しく幸せに溢れているのだ 
つまらぬ事など何一つありはしない 
私の腹の中が汚いだけであり 
身裡(みうち)より噴き出す厭らしさが 
私の目に映るだけなのだ 
私の目は外に向かず内に向かう 
その内側が私を滅入らす 
世の不幸など身裡一つ私自身の事である 
自身の問いを他へ移すな 
世を呪うな 
世界は私を全く受け入れている 
私が何かにつけ細部を拒む 
それだけなのだ 
開かれよ 
私自身よ開け放て 
私の差し出した手は喜びの中で躍動している 
目覚めた生命よ 
腹の中の喜びを叩き起こせ 
涙よ悲しみより流れるな 
喜びのほとばしり楽しさの泉より 
流れ潤い満たせ 
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