箕面の伯母/森の猫
が競争相手のように
なってしまう
両親の愛を奪い合う
相手
今でも変わらない
兄はいつでも
あたしのほしいものを
先に母から 奪っていく
ふたりなのに
ひとり
やんちゃで
ガキ大将だった兄に
いじめられると
いつも
あたしは
思った
大阪の伯母さん子だったら
よかったのに
病弱な伯母は
一昨年大病をして
そのとき
来てくれたのは
連れ合いである
年老いた 伯父だけだった
と つぶやいていた
もしかしたら
もしもなら
あたしと伯母が親子に
なっていたら
病室で姉妹のように
きゃっきゃと
話し込んでいたかもしれない
そんな思いがよぎった
母とは昔から性格が
正反対で随分と
表には出さない
反発心や違和感を
覚えていた
今も母には
兄がいちばんらしい
顔も性格も似ている兄が
伯母も70を越えた
元気なうちに
ゆっくりと会いたい
昌子伯母さん
あたしは
とても 近しく思っているよ
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