この部屋にいない。/天使
 
小さな顔から君の顔が見えた。
君はもうここにはいない。
だけど、その瞳がもう一度開きそうで・・・
もう一度・・・君の笑顔が見れる気がした。

白い花に囲まれている君は
まるで、眠ってるようだ。

最後に見た君の姿。
次に君に会ったのは、本当に君なのか。
小さなせまい箱の中に入った君は、
白く・・・苦く・・・。

「ゴメンナ。こんなせまい箱で。これじゃないとダメみたいなんだ。」

僕が言葉を言っても、君はもう答えてくれない。
姿なき君は、海岸の砂のように白かった。

あぁ。もう、君は戻ってこれない。そんなこと知ってる。
でも、気が付くと誰もいない・・・・
僕一人しかいない部屋で・・・君を呼んでしまう。

なぁ・・・俺はいったいどうすればいい?
君のこと、まだわかってないよ。
この部屋にもいない。この町にもいない。
この国にもいない。この世のどこにもいない。
そんな君を・・・僕はまだわかってない。

この部屋に戻ることがない君を。
いつまで待ち続けるの。
戻る   Point(0)