シナ子/
嘉村奈緒
まくホースの先を潰すこと
町で一番大きい時計のからくりを知ること
シナ子
シナ子はいろいろなところにいるんだね
シナ子のシナ子
週末田舎に帰るんだ
手の中でサリサリとするシナ子
ヒューィと鳴るシナ子
シナ子
シナ子、
列車の窓にうつるシナ子は
口をとがらせて草笛を思い出そうとしてる
穏やかな日和に
ニッキを持って出かけよう
あの公園で
草笛を聞かせてあげる
そうしてぼんやりとしながら舐めるニッキは
格別だろうから
きっと、世界は美しいんだ
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