1ポイントの至福/まどろむ海月
 
評判のユニクロの前で行列を作っているとき、専用のオートクチュールで自分の趣味にぴったりの貴重な一点物を格安で手に入れるとしたら、こんな感じかなあ。「みなさ〜ん、おげんきですかあ」と、サングラスをかけたまま洒落た車の中から声をかける、といった厭味な快感が、実によくわかってしまって恥ずかしいほどなのである。
 ポイント制も結構捨てたもんじゃないな、と思えてくる。現代フォーラム万歳、とさえ言いたくなってくる。これだけ大量の詩が流れ込んでくるこのサイトだからこそ、このような最良の掘り出しもののコレクションによって、自分のオリジナルな趣味の世界もひそかに構築できるのだ。
 そんな背比べに命がけみたいにあくせくせずとも、喧騒の世界から遠く離れて、人にああだこうだ言わせないマイナーなセンスの世界は、ときとして深い休息を与えてくれたりする。オルタナティヴ、ということのほどではないのだが、ポイントシステムにも、こういう愉しみ方もあるのだという一例を、皆さんに報告しておきたい。
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