もしかしたら雨が/s
から
誰かが見ているんじゃないか
もしかしたら窓の外から
行きかう人々みんながこちらを見ているんじゃないか
そんな気がする
顔を上げたが
ひとつとして確かなことはなく
全てが ただ
そんな気がしただけだった
しんとしたような気がした
カフェにはぼくひとり
ただぽつんと座っている
それは事実だが
そんなような気もする
僕は店を出た
足早に通りを歩き
行き交う人々を
次々と抜き去り
駅へと急ぐ
階段を上がり
改札に出て
電車を待った
入ってきた電車の
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