生意気さんカサカサさん/はらだよしひろ
 
口元がかすかに微笑む
揺りかごにつつまれて
眠りは穏やかに
進むときを幸せにする

小さい手は てのひらを隠すぐらい
いっぱいに 握りしめられていて
産声の 限りなく叫んでいるような
力強さを 思い出すようで

・・・・・・
  私がお母さんよ
        ・・・・・・

と 見つめる眼に映る
おでこは ひろがって

ゆっくりと
やわらかな
光に照らされた肌を
指先で 触れてみる

いつの日だったろうか
「子供はだいっ嫌い」
と生意気言ったのは

あそび盛りの小娘が
カッコつけて
「赤ん坊は自分の意志が無いからいやだ」
なんて


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