時運/蒲生万寿
 
静かに座っていると 
窓から心地よい風が入り 
部屋の隅々を通り抜けて行く 
日は部屋に満ちたと思えば 
陰に染めたり 
その変化は絶えず移り行く 
耳に届くは 
夏ほととぎす 
醒めた音に季節は進み行く 
この私を中においての楽しみ 
とどまるところ無く 
方向を持たず 
共に歩む喜び 
一つである事が千でも万でもあり 
また千でも万でもある事が一つでもある 
その時その時に在るものが 
共に溢れ出す事を楽しみにし、喜びにする 
深い感謝はそれぞれの裡に向かって施せ 
ここに居合わせた事の幸いは 
どれこれも一歩たりとも 
時を得ずして先へと進めぬ道理なり 
それ故に尊いものばかり
 
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