きみの知らない誰かに恋をする/寒雪
見て
ぼくの顔も思わずほころぶ
きみの笑顔は
ぼくの体の一部みたいに
いつでもぼくのそばにあった
だけど
目が覚めると
きみはぼくが辿り着くことの出来ない
遠い遠い場所にいってしまった
きみがいなくなった街は
そんなことを感じさせることもなく
みんなの日常を演じている
その中でぼくだけは
今はもういないきみを思い
きみに似た背姿の人を見つけては
面影を追いかけながら
ぼくは
きみの知らない誰かに恋をする
きみの笑顔を壊してしまうくらい
素敵な恋になることを願って
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