white clover/mizunomadoka
 
もうずいぶん昔のことだけど、
中学生のとき2つ年上の友人と一緒に下校してた時期があった。
彼は色白で線の細い、ちょっと有名な変わり者だった。

どう変わっていたのかはうまく説明できないけれど
隣にいても数歩離れてるような感じのひとだった。
紙飛行機を作るのがもの凄く上手いのに
飛ばすのは誰よりも下手みたいな、孤高の愛されキャラだった。

彼は歩きながらよく頭をぶつけた。
僕に話しかけながら後ろ向きで歩くからだ。
ぶつけるとしばらく動かなくなって
それから両手をポケットに入れて、こう言う。
「ここ危ないから気をつけなよ?」

その様子がおかしくて、僕はいつもクスクス笑っ
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