ガールフレンド/済谷川蛍
 
今日が初めてだったので、彼女もただの人間なのだということをひしひしと感じた。捕まったらどうなんのかなー、と色々考えた。していると、彼女が急に物わかりのいい顔に変わって言った。 
 「まぁ、別にいいよ」 
 俺は礼を言わずに彼女の顔を黙視していた。 
 「なに人の顔じろじろ見てんだよ。あんた、さっき一瞬あたしのこと嫌いになったでしょ。それで自分を隠してるつもり?」 
 「お前、何歳だよ」 
 「は? なにいきなり」 
 「長居しそうだからな」 
 「16」 
 あっさり答えた。 
 「高校生か」 
 「たりめーじゃん」 
 彼女は説教を嫌う反応を示した。 
 「親は心配してな
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