after morning/mizunomadoka
 
ここでは誰も眠らないので、私はとても珍しがられた
どうして一日のうちそんなにも動かなくなる時間があるのか?
不便じゃないのか? 退屈じゃないのか?
たまにムニャムニャ言ってるのは何なのかと

そして日本人は変わり者だと笑いながら
村のみんなで木を削り出して木の葉を敷いて
私のベッドを作ってくれた

夜空にまどろむこの幸せを
今すぐみんなに話したいけど
私はもうすぐ眠りに落ちて、朝が私を忘れてしまう


ここでは誰も死なないので、私はもう一人の私に出会った
何万年も年上の私は死者の姿でジゼルを踊ってた

もう一人の私はきれいで格好良くて大人で
夢見がちでマイペースな私を楽しそうに眺めてた
なんだか不思議、私と私のあいだにもう一人の誰かがいるみたい

それから一緒のベッドで
おやすみなさい、と目を閉じて
最後にもう一度だけ私と私をみた


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