ぼくのだいすきなキリン/
蠍星
のは
まぎれもなくかなしみだったので
ぼくはひとりでゆくことにした
キリンの背中からおりて
ぼくはひとりでゆくことにした
かよわい足のうらがただれても
ぼくはひとりでゆくことにした
ぼくは痛みで泣いた
ぼくはかなしくて泣いた
ぼくはキリンをおもって泣いた
ふりかえるともう
キリンははてないなみだにしずんでそれきり
見えなくなってしまった
ぼくは陸で生きている
ぼくははだしで生きている
ぼくのだいすきなキリンは
いまは海の底に居る
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