女神は死んだ/白昼夢
った
花のはっぱのところからでたとき、あしおとがきこえた
ふりむこうかと思ったけれど、わたしの体はもううごかなかった
ふとい木の矢がささっていた
たくさんちがでて、わたしは赤い花のうえにたおれた
だれかのこえがきこえた
わたしでさいごだとか、いきのこりはいないとか
ころしてしまってはいみがないだろ、とか
こわい人はわたしのそばにきて、ともだちをけっとばした
ともだちはころがっていった
うでがとれたり、みみがなくなっていた
てをのばそうとおもったけど、てがうごかせなかった
わたしのたいせつなともだち
おなかのなかにかくしてあったきれいなゆびわが見えた
こわいひとはそれをとって、もっていった
ゆびわなんていらない、ともだちをかえして
すこしくらいのけがならなおしてあげられるけど
もうわたしにはなおせない
戻る 編 削 Point(1)