女神は死んだ/白昼夢
 
った
花のはっぱのところからでたとき、あしおとがきこえた

ふりむこうかと思ったけれど、わたしの体はもううごかなかった

ふとい木の矢がささっていた
たくさんちがでて、わたしは赤い花のうえにたおれた

だれかのこえがきこえた
わたしでさいごだとか、いきのこりはいないとか
ころしてしまってはいみがないだろ、とか

こわい人はわたしのそばにきて、ともだちをけっとばした
ともだちはころがっていった
うでがとれたり、みみがなくなっていた

てをのばそうとおもったけど、てがうごかせなかった
わたしのたいせつなともだち
おなかのなかにかくしてあったきれいなゆびわが見えた

こわいひとはそれをとって、もっていった
ゆびわなんていらない、ともだちをかえして
すこしくらいのけがならなおしてあげられるけど

もうわたしにはなおせない
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