雨/蒲生万寿
 
雨よ 
もし私が倒れたならば 
私の上に降りしきってくれるか 
花を咲かし 
木を育て 
生命を司る雨よ 
お前の一粒一粒が尊く 
その、あたたかき粒を 
私にも与えてくれるか 
私は肉を地に返し 
心を天へ昇らそうとしている 
雨よ 
慈しみ給え 
きれいに 
返すべき処へと返し給え 
我を御身に委ね給う 
雨よ 
もし私が倒れたならば 
私を包むが如く降りしきってくれるか 
雨よ 
お前の止むとき雲は切れ 
その間より光は射し出で 
私はお前と共に導かれ行く 
お前に包まれたまま 
西へと沈み行こう 
日の本へと去り行こう 
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