迷宮の殻/
月乃助
返事もせずに
新たな暮らしを始める この先
あたしは、その中に入っていないのですか
どちらに行きましょうか?
ただ、歩いてきた道を思い出しながら、
震える体を抱きしめた
あたしを支えてくれた人
もう忘れなさい
一人で歩くことがそんなにも、
悲しいというなら
道に迷いながら
閉ざされた迷宮を彷徨い
別な道を探せということなのですね
そこでは、きっと
知りもしなかったすばらしい思想が
あたしを待っていてくれる
それに胸をふくらませながら
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