サニー/依
三〇〇〇メートル)
(風は南西)
その永遠的な距離も
お前の正しいその眼をとおせば
まっすぐに愛しく映るだろう
(そのままならば溢れるほどの約束)
私の折れ曲がった右腕も
穴の開いた左の鼓膜も
お前から見れば世界の一部となりおおせる
異質という概念がお前を縛ったりしない限り
見える世界は百億さえも超えていく
ごらん、と私はお前に言ってみよう
広がるのは荒野か楽園か
そんなことはお前が決めることだけれども
柔らかい日々が続かずとも
晴れた日は
誰かのことを想ってほしい
もうすぐ春が来るよ
どうかどうか
きっと
いつかのそのままの気持ちで
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