命が欲しい/はらだよしひろ
 
流す涙が注がれる海の
波はどこかで戯れながら
それが愛なのか恋なのか
やりとりして
見えるテレパシーと
見えない抱擁で喘ぐ君の
声の高らかさが
散る

どこから来ようと
今の営みが
これからの営みと
どう繋がるのか
知る者も知らない者も
母と父のセックスの端で
擦れる

殺戮と征服欲と国益と正義感は
すべてが充たされる満足と
不満の間に存在するだけ

原油が一バレル50ドルを越えようとも
僕は銃の影に怯えてはいないし
僕が兵隊に殺されることも
武装集団に拉致されることも
考えたことは無い

ただ
戦争であろうが
平和であろうが
戦争でなく
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