流れ者/
ゆえづ
ば
確かな答えを手にしていただろうに
ごめんよ母ちゃん
死ねない
俺は無能だから死ねない
この世を漂っているしか知らない
為す術がない
移ろう季節のように
もうすぐ終電だろうか
ぐらりぐらり
遮断機は小雨の中を緩やかに下りる
獲物を招き入れる触手のように
まだ渡れないでいる春
捨てきれない呼吸と
またも俺は
うやむやに明日へと腹這いで
愛とかそんなん引きずって行く
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