今もまだ見とれている/kiri
 
彼が祈ったのは、眩しさに無感が押し潰された日。
厳しく繋がれた巨大な孤独はついに皮膚を突き破る
茫然自失。しかし吸い込まれるほど鋭利で
歓喜にも似た覚醒感に両の拳が打ち震え、加速していく鮮烈は反省を許さない
まどろみの絶頂に崩れたくなる誘惑に打ち勝っても
一つのものを二つに
二つのものを三つに分かつことを認め
一人の、人間の愛というものから覚醒を勝ち取っても

ああまたここなのか
そう。そうなのだ
誰もいないのだ
誰もこれを見ていない
真の悲劇はそう幕を持たない!
では何故。何故彼は、、
彼が歩くのは、心が光に追いついたから
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