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水町綜助
さす
ひと欠けに両の手を
開いて眺め風にあらう
その隙を
おお
おお と
風はすりぬけていくいとなんです
それでこの手は
いとひとつ
捕まえられぬ手なのです
*
ただ流れた川筋を
ひどく
暇にかまけて
土だとか砂だとか
潅木だとか
てきとうに拾ってうめ
町へ流す
町びとは
商店の軒先から
日差しに鼻から下だけをさらして
口は半開きに
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