降りしきる、雨に触れてみた/窓枠
 
事を思いつけば
脚色された台本の言葉になんて
真に慰められることはないのだよ

雨音を受け入れていること
少なくともぼくはうなだれたりしない

  *

あさぼらけに嗚咽が混じれば
ノック、ノックして
家族に息遣いを教えてあげた

息を吸って
息を吐くということが
ぼくにできる最高の生き方
と、知っている今だからこそ

晴れることのない空はないのだと

ノック、ノックして

 みんなに伝えてやりたい

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