ウミネコの部屋/
月乃助
なたの香りだと
悦楽に落ちていく すべり入るその中で、
見つけ出したそれを言葉に代えて
あなたの知らぬ間に 口にする
ウミネコの狡猾さを真似ながら、貧欲を隠しては横たわり、
迷宮を出られないあなたの 細い裸の背を抱きしめる
いつものように外は、冷たい光りで満たされているのに
その明るさに 少しも躊躇わずに
窓に映る二人の過ごした時
潮の香りのする思い出
失うものが 多すぎる午後
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