始まりと終わりに架かる橋/相馬四弦
 


この橋の向こう側には

終わりがあります

終わりです

そこで終わろうとしているのです

だけどもわたしは

ほんのすこし気になったのです

列を飛び出して欄干を跨いで

目を閉じて流れに身を落せば

このカラダは何処へ運ばれるのでしょう

そこにも終わりはありますか?

わたしは歩きながら

そう思ったのです

ひたすら歩きながら

ときどき心で呟くのです

潮の香りに引き寄せられてしまうことの

この憧れは、とてもすてき、だと

そういう不思議なのです





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