アホウドリの島/楽恵
しばらく流されていくと、遠くに小さな島影が見えてきた
緑の植物がほとんど茂っていない、岩だらけの黄色い島だった
島の上空には、何千という海鳥が、
まるで黒い雲のように群れていた
よく見てみると、群れている鳥は俺にまとわりついてきた白い鳥と、同じ種類の鳥だった
潮風に紛れて、ピー、ピー、という甲高い鳴き声が聞こえてきた
俺の頭上に飛んでいる奴が、カッカッカッと遠い仲間に応えるように鳴いた
島には、その鳥が恐ろしいぐらい群れていた
(まるで、鳥の島だ)
島はだんだんと近づいてきた
戻る 編 削 Point(8)