周期/イシダユーリ
 

運動
感情
ひとつの
音が
生活を
台なしにする
手に入らないものを
口を開けっ放しにして
見つづける
快感が
腹の中で
腐った
夏は
もう
こないんだってさ
草は
黄色いままだ
きみが
草だって
それが黄色いなら
わたしが
ひきちぎって
口のなかを
溢れさせても
いいだろう
だって
きみは
もう
黄色いままなんだから
ずっと
黄色いまま
わらっているんだから

さあ
産まれるなら
産まれてくればいい
あせもだらけで
風に吹かれれば
それだけで
きみは
泣くだろう


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