存在を全て削ぎ取って/Null
 
最後に残ったもの
そこに希望があるとすればどうする
まるでパンドラじゃないか

破綻していく思考回路は正常か
否、正常とはなんだ
誰が定義している?

苦々しい分泌物に支配される記憶領域
次第に薄くなる思い出は今も生々しく
私の知覚は恐ろしく正常に働いている
ならば知覚している現象のみが正か

身体が溶ける
感覚が薄まる
全てが仮想現実なのだとすれば

私は狂っている
しかしそれを知っている
つまり狂っていない
それで全ては証明される
所詮自己の存在など
私が「在る」というしか証明方法がない

そしてその証明は私に対してしかできない
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