私たちの、絶え間ない変化/真島正人
 
いいのかわからなくなるばかり
僕だけではなく
たくさんの鑑賞者が同じ想いだろう
そうでなきゃ1960年代からこっち
世の中は素晴らしい芸術で溢れてなくちゃならない
なのに僕ときたら
深夜のゲームセンターで
久しぶりに一等を取ったシューティングゲームのネーム入力で
冷笑とともに『JLG』と打ち込んだり
アダルトゲームに喘ぎながら
声優の可愛い声だけは消してモーツアルトの協奏曲を
かけることぐらいが精一杯なのだ
僕は怖くなる
自分の記憶のどこかが
黒々と良い土になっていて
素晴らしい農作物が生い茂っている様を想像して
土の肥やしは僕のさまざまな感情だ
感傷性、叙情性、優しさと悲しさそれら全てが
土になり、肥料になり
ただ何者かわからない草花を育てることだけに従事している

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