私たちの、絶え間ない変化/真島正人
 
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夜に
もう成長しないどころか
ますます退化をする体を抱えて
たくさんの書物と一緒に
帰宅をすると道すがらの
運動場には
テニスの練習をする
少女の姿があった
テニスウェアではなく
ただの体操着で
うまいもんだな
壁に打ち付けた球が見事彼女に返ってくる
汗の雫は見えない
暗いためなのか汗一つかかない体なのか
そんな光景は
僕にある人の映画の場面を
思い出させる
いわゆる一つの
芸術映画だ
芸術は
何処までも芸術であって
それは人の心に作用をして
人を成長させるはずなのだが
あの映画をたくさん見た僕は
見る前よりも息苦しくて
どうすればいい
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